緑内障の治療

昔は緑内障は不治の病でした。
速度を遅らせることはできても、失明に向かって確実に進んでいく病気だったのです。
しかし現在は完全に進行をストップさせることができるようになりました。

 

視神経が障害される要因として考えられるのは圧迫と循環障害です。

 

 

緑内障の進行を止めるために

まず眼圧を下げること。
そして機械的な圧迫に対する視神経の強化や保護すること。
さらに循環障害を解除し、栄養補給を復活させることです。

 

現在可能なのは眼圧を下げる治療法だけです。
それ以外の治療法には確実なものはありません。
眼圧を下げることを中心に、続発緑内障のように他の病気が原因の場合は、
その治療も同時に行う、これが緑内障治療の基本といっていいでしょう。
降圧治療で大切なのは眼圧をどこまで下げるか、目標眼圧を設定することです。
正常範囲の眼圧に下げても進行が止まらない人もいます。

 

健常眼圧がわかれば、それ以ドにドげればいいわけですが、
健常眼圧を測定する方法はありません。
つまり、目標眼圧を設定するとは、健常眼圧を探す作業といってもいいでしょう。

 

 

目標眼圧の設定

目標眼圧を決める要素として、
■治療前の眼圧
■病期(視神経乳頭や視野の状態)
■緑内障のタイプ
■全身状態
■年齢(余命)
■他眼の状態
さらに家族歴や近視かどうか、糖尿病の有無なども参考にして、総合的に判断します。

 

 

緑内障の治療方法

緑内障の治療法は、薬物、レーザー、手術の3つです。
急性緑内障発作で急いで眼圧を下げなければならない場合、
緊急にレーザー虹彩切開術を行うことがありますが、
こうした例外を除き、緑内障の第一選択は常に薬物療法です。

 

最近は次々に新しい薬が開発され、選択肢や組み合わせが豊富にあります。
以前は薬物療法が十分な効果をあげない場合はレーザー、
それもうまくいかない場合は手術という考え方が一般的でした。
最近は、薬物療法の割合が大幅に増え、レーザー治療や手術は減る傾向にあります。
大半の人が薬物療法で眼圧のコントロールに成功しているからです。

 

いったん治療を開始すれば、一生続くのが緑内障の治療です。
治療法の選択は慎重に行わなければなりません。
単に眼圧や病期だけで決定するのではなく、
年齢や生活環境などを総合して決めなければなりません。

 

緑内障の進行を止めることだけが、治療の効果ではありません。
不安が解消され、頻繁に通院しなくてもよくなる、点眼回数が減る、
そういうことも治療の効果です。
本人ひとりひとりの状況に合わせて治療法を選ぶ必要があるでしょう。